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一般財団法人岐阜市身体障害者福祉協会

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障害のある方の防災の手引き

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〇 災害時に手助けが必要な人のために

PDFファイルはこちら → bousai_manual.PDF

障害のある方の防災の手引き

 阪神淡路大震災、東日本大震災では、建物が壊れたりライフラインが途絶えたりといった被害が発生しました。
  震災後に、障害のある方が震災で困ったことや不安だったことは、地震直後の安否確認や情報不足、給水の大変さ、避難や避難所についての不安など多くの声があり、その背景には災害に対する準備不足や、市の対応(公助)が事前に知らされていないことなどがありました。
 また一方で、ご近所や友人に声をかけてもらったことが何よりありがたかったという 声もあり、地域で助けあうことの大切さも改めて示されました。
 これらをもとに、私たち障害者は、公助を活用しながら、「自分のことは自分で守り(自助)」、そして、「お互いに助け合う地域(共助)」作りをしなければならないと考えます。
 障害のある方の被害や不安を軽減するための3つの柱を示しました。

① 災害が発生したときの流れを頭の中でえがいてみましょう。
② 本格的な支援が始まるまでの3日間を乗り切る準備をしましょう。
③ 積極的に近隣や地域とつながりを持ちましょう。

 自分で守る、地域とつながる ←ポイント
〇 大災害が発生した時の対応の流れをイメージしてみよう。
災害時のイメージ

  突然大規模災害が発生した時、行政機関、民間企業に従事する人たちやあなたの支援者も被災することになり、ほとんどの都市機能が失われます。
  遅くとも2日目には支援が開始され(避難所の開設)、3日目には本格的な支援が開始されます。それまで、自分のことは、自分で守ってください。

Ⅰ 大災害発生時の対応

※ 大切なこと
 家族との連絡方法、待ち合わせ場所を話し合っておきましょう。
 ご自身の支援してもらいたい事や薬の情報などを安心カードに記入し、冷蔵庫にはっておきましょう。

 安心カード・ヘルプカード

● 使い方:緊急時に、手助けにきてくれた人にカードを見せて、対応してもらいましょう。
● 安心カードの書き方は、下の例を参考にしてください。
 安心カード.pdf へのリンク
安心カード見本  

 「ヘルプカード」は、障害のある方などが災害時や日常生活の中で困ったときに、周囲に自己の障害への理解や支援を求めるためのものです。下の例を参考にしてください。
 カードは、岐阜市障がい福祉課、岐阜県庁障害福祉課、障がい者総合相談センター で配布

ヘルプカード
 自宅で3日間乗り切る用意

1 安全な場所の確保
自宅で最も安全な場所はどこですか?
大きなケガをしないよう、普段から準備をしましよう!
・物が倒れてこないように、家具、食器棚の扉、テレビなどの固定
・窓、食器棚、額縁などガラスが飛び散らないようにフイルムを貼る
・出入り口には、邪魔にならないような荷物を置かない

2 ライフラインの停止に備える
 外部からの本格的な支援が始まるまで3日間かかると言われています。
 この3日間を生き抜くために最低限必要な物とその分量は、常に蓄えていますか?
(1) 飲料水/食べ物
 普段食べているもののなかから、調理の必要性が少ないものを探してみましょう。
 特に、飲み水の準備は必要です。
 カセットコンロやガスボンベ等も準備しておきましょう。
(2) トイレ
 家族が1日に排せつする平均的な回数を事前に確認しておきましょう。
 市販の簡易/携帯トイレを必要数以上に準備しておきましょう。
 二重にしたビニール袋の中にちぎった新聞紙をいれる等の方法で代替することもできます。
 消臭剤と抗菌剤も忘れずに準備してください。
・東日本大震災で最も困ったこと……トイレと飲み水
・高齢者への調査では「風呂の残り湯がとても役に立った」
(3) 電気を使用する製品/医療機器
 電池やバッテリーで使用できる製品は、使用できる時間の目安を確認しておきましょう。
 そして、電池やバッテリーは多めに用意しましょう。
 また、バッテリーの充電の可否や方式についても調べておきましょう。

3 日常生活の必需品
(1) 医療関連
① 薬3日分と処方箋
 災害発生直後は、薬の入手が難しくなります。
 少なくとも3日分の薬を用意しておく必要があるでしょう。
 また、災害の状況が少し沈静化した頃には、かかりつけ医や行きつけの薬局でなくても、薬を処方してもらえます。処方箋を用意しておくと便利です。
② 在宅酸素など医療機器を使っている場合
 機器メーカーには連絡先を2つ知らせておき、いざという時にどうしたらよいかを打ち合わせておきましょう。
(2) 介護用品関連
① オムツを使用している人は、おむつとおしりふきを用意しておくと良いです。
 オムツは、トイレが使用できない間の簡易トイレとしても活用できます。
② 偏食や食物アレルギー等に対応できる食料(3日分)
 偏食や、食物アレルギー等がある人、また、食物形態に配慮が必要な場合もおかゆ等、食べられるものを用意しておくとよいでしょう。
(3)障害の種類によって用意するもの
① 補装具及び日常生活用具
 補装具は、失われた身体機能を補完又は代替えする用具であり、日常生活用具は生活の能率の向上のため必要となります。
・ 直腸に障害のある方は、ストーマと洗腸器具等の保管は緊急持ち出し品の中、トイレ、洗面所など分散して管理しましょう。
・ 視覚に障害のある方は安全杖や眼鏡など、聴覚に障害がある方は補聴器(予備の電池も)や筆記用具などを用意しましょう。
・電動車いすの利用している方は、充電器は安全な場所に置き、タイヤは定期的に点検しましょう。
(4)その他
① 笛
 笛を吹けば体力も消耗せずに居場所を知らせることができます、また意思の伝達にも利用できます。
② 緊急警報放送を受信できるラジオ
 ラジオはいつも身近な場所に用意しましょう、また予備の電池も忘れずに。
③ 車いすが使えない時を考えて、おぶい紐、杖、カッパを用意しましょう。
 ★救援物資等は、避難所に届きます。
 自ら物資を受け取りに行ける場合には、避難所に足を運ぶことが必要です。
 避難所に行くことが難しい場合には、自宅に避難していることを知らせ、物資や情報が得られるようにしなければなりません。
 そのためには、自宅で避難していること(安否)を避難所に伝えましょう

 自宅で3日間大切なこと

4 地震が発生したら、落ち着いて行動
 緊急地震速報や大きな地震が起きると、あわてて何もできなくなってしまう人はとても多いと言います。
 地震発生時は、冷静かつ適した行動を取ることが自分の身を守ることにつながります。
 地震が来てあわてないためにも、取るべき行動や避難方法に関する知識は、日頃から確認しておきましょう。
(1) 緊急地震速報に注意しましょう
 緊急地震速報は、地震の発生直後に、震源に近い地震計で捉えた観測データを解析して震源や地震の規模(マグニチュード)、各地の揺れの到達時刻や震度を推定し、可能な限り素早く知らせる情報です。
 テレビやラジオで受信してから、強い揺れが来るまでの時間はわずか数秒から数十秒です。
 その短い間に自分の身を守るための行動をとる必要があります。
① 丈夫なテーブルや机の下にもぐって、自分の身を守る
 家具や家電製品の転倒や落下、ガラスの飛散から身を守ります。特に頭部を保護しましょう。大きな揺れの最中に火を消そうとするのは危険です。
② 揺れが収まったら、すぐに火の始末を
 ガスコンロや暖房器具の火を消します。ガスは元栓を閉め、家電製品はコンセントを抜くかブレーカーを落とします。万一出火したら、慌てずに消火を。
③ 玄関の扉や窓を開けて、避難口を確保する
 特に集合住宅では、建物のゆがみでドアが開かなくなることを避けるため、また 避難にエレベーターは使いません。
④ 慌てて屋外へ飛び出さない
 屋内では転倒・落下した家具や家電製品、ガラスの破片に注意。スリッパや、できれば底の丈夫な靴を履いて行動しましょう。屋外では屋根瓦や窓ガラス、看板などの落下物に注意。
⑤ 避難は徒歩で、非常持ち出し品は最低限に
 余震の発生に注意しましょう。玄関などの見やすい場所に避難先や安否を書いたメモを貼りましょう。
⑥ 狭い路地や門・塀の近く、崖や川べりに近寄らない
 切れたりぶらさがったりした電線も危険なので近寄らないでください。
⑦ 傾斜の強い山ぎわでは、ただちに避難を
 がけ崩れのおそれがあるため、離れた場所や丈夫な建物の上階へただちに避難してください。
⑧ 特に高齢者や障がいのある人、子どもたちの安否確認と救助活動を。救護の必要な人には応急処置を。
⑨ ラジオなどで情報を確認
 震度速報は地震発生後おおむね2分、津波予報はおおむね3分で発表されます。
⑩ 旅行中に海の近くでは、津波に警戒
 岐阜市内は海岸線から離れ、地震による津波の被害は無いと思われますが、旅行中に海の近くでの緊急地震速報や地震の揺れを感じたら、すぐに近くの高台へ避難するか、海浜から離れ、できるだけ海から遠くまで移動しましょう。

5 正しい情報を入手する
 市からの広報、テレビやラジオなど信頼できる情報源から正しい情報を入手しましょう。
 発生直後は悪質なデマや、いたずらに不安感・恐怖感をあおるような誤った情報が流れます、真偽を確認し、冷静に対応しましょう。
(1) 岐阜市からの情報発信手段
 防災行政無線、広報車による巡回、FMわっち(78.5MHz)・FM岐阜(80.0MHz)への災害時緊急割り込み放送、ホームページ、岐阜市公式SNS、岐阜市気象・災害情報等メール、緊急速報メール。
・ 地震発生時の情報入手先
 岐阜市の防災情報、岐阜県総合防災ポータル、気象庁(地震情報)、内閣府(防災情報)
・ 防災無線、広報車、広報紙
 避難指示等の緊急情報や、給水情報等の生活関連情報を知らせてくれます。防災無線は、場所によって聞きづらいところもあります。
その場合には、他の手段で情報を得るように備えましょう。また、避難所では、広報版表示されます。
(2) 岐阜市気象・災害情報等メール配信サービス
 地震情報や気象情報、災害時の緊急なお知らせ(災害の状況、避難指示など)の情報を、携帯電話やスマートフォンの電子メールで入手できます。
 事前に登録が必要です。
(3) ラジオ・テレビ、携帯電話等では、より身近な情報が得られます。
(4) パソコンや携帯電話でホームページが閲覧できる場合には、市のホームページで多くの情報が提供されます。
(5) 隣人や、地区長(自治会長)、自主防災組織会長等
 隣近所の人も様々な方法で情報を入手しています。また、地区長や自主防災組織会長には、市から災害時の情報が提供されます。
 日頃から、いざというときに、情報を提供してもらえるようにお願いし、どのような方法で情報を伝達してもらうか(電話・ファックス・メール・訪問など)をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
<情報とのかかわり方>
○情報から孤立しないようにしましょう。
○生活に密着した情報は、テレビやラジオより、市や近隣から得られます。
○複数の情報源を活用して「情報の偏りを少なくする」ことを心がけましょう。

 居場所を伝える

6 「ここにいます」を発信しましょう
    ↑  ※重要
 避難所に行かないときは、自宅にいることを周囲に知らせましょう。
 <知らせる方法>
① 避難所にいる地域の代表の方に直接知らせる。
② 民生委員や地域支援者の方に知らせる。
③ 自宅の外で、人目につきやすい場所に貼り紙をする。
   例 “自宅で避難生活をしています”
  <なぜ知らせるか>
・避難所からの救援物資を得ることができる。
・テレビやラジオでは得られない、地域の情報を得ることができる。
 ※ 「安否確認」があった時 → →
 「大丈夫」の一言で終わらせないで。
 安否確認の電話や訪問があったときは、「大丈夫です」の一言を安易に使わないようにしましょう。
 その代わり、どのように生活しているのか何が必要かを、具体的に伝えるようにしましょう。
・困ったときはお互い様、「言っても良いか、悪いか」は考えずにまずは希望を言ってみよう。
・「障害」や「疾病」について詳しくない人が来ることもあるので、必要な事柄については紙に書いておくと伝達しやすくなります。
 また、電話等で伝えるときも伝え忘れを防ぐことができます。(被災時は誰も余裕がないために、言葉を文字通りに解釈してしまうことが多くなります。東日本大地震のときも、「大丈夫です」といった人たちが支援から漏れてしまった事例があります。)

 避難の判断

7 避難場所と避難所
① 避難場所 ・・・地震などの災害発生直後に、一時的に避難する場所
② 避難所  ・・・自宅が被災したり、がけ崩れの危険がある場合に避難する場所

(1) 事前に避難場所と避難所の確認を
 自宅で被災した際の避難場所は、最寄りの小・中学校となりますので、確認にしてください。
 また、避難場所が決定できない時には、自分がわかる避難場所に避難してください。
 ☆ポイント
・必ず、避難所まで歩いて行ってみましょう。(避難を支援してくれる人と歩いてみるのが最も理想的です。)
・危険な個所や避難する上での注意点を書き出してみましょう。
(2) 災害が起きたら、すぐに避難所に避難しなければならないの?
  → いいえ。
 災害が起きたからといって、すぐに避難しなければならないわけではありません。
 避難が必要かどうかは、各自が判断をする必要があります。
 まず以下の状況確認をします。
○住まいの確認(破損状況)
 倒壊などの危険がないか、数日間、そこで安全に暮らせるかどうかを判断します。
○ご本人、家族の確認(負傷等の状況)
 災害により怪我をしていないか、体調に問題はないかといったことを判断します。
○避難の必要性の確認(緊急度・必要な人数など)
① 近隣で火災が起きるなど周囲の状況から、避難の必要性の緊急度を確認します。
② 大災害では避難所の開設に時間がかかります、まず避難所の開設を確認します。
③ 自主防災組織による避難の判断や、避難指示の発令、自宅が警戒区域に指定されるなど、行政からの指示・命令等も必要性を判断する材料となります。
④ 避難に支援が必要な場合、安全に避難所まで避難できるだけの用意がそろっているかどうかも確認する必要があります。
 避難所での生活は、意外に負担が大きいものです。
ですから、安全が確認できれば無理に避難をする必要はありません。
※ 命を守る最低限の行動
 危険な状況の中での避難はできるだけ避け、安全の確保を第1に考えます。
 洪水等の危険が切迫している場合は、2階に上がる(垂直避難)など命を守る最低限必要な行動をとってください。
 今いる場所が安全な場合、その場所にとどまる「退避」も避難行動の1つです。
(3) 行政からの避難に関する情報には3つの種類があります
① 高齢者等避難(警戒レベル3)
 避難するのに時間がかかる高齢者や障害のある方に、避難することを呼びかけるものです。危険な場所から避難しましょう。
② 避難指示(警戒レベル4)
 避難のための立ち退きの指示であり、被害の危険が切迫したときに発せられるもので、危険な場所から全員避難しましょう。(令和3年5月20日から避難勧告は廃止され、避難指示で必ず避難となりました。)
③ 緊急安全確保 (警戒レベル5)
 災害がすでに発生していて、安全な避難ができず命が危険な状況です、住民に命が助かるような行動を促す情報です。(発令を待っていてはいけません。)
※ いずれも、市の広報車の巡回、同報系防災行政無線(市内各所に設置されたラッパ型スピーカー)、市ホームページ、緊急速報メール・ラジオ緊急割込み放送等で伝達されます。
 緊急を要する場合、岐阜放送、NHKぎふ放送局、岐阜ラジオで放送されることもあります。
(4) 避難所には何を持っていけばいいのか
 避難所には、最低でも3日間、避難者が生活できる物資を用意(※1 食料は避難者(市民の1割程度)1名につき1日2食の3日分備蓄)しています。しかし、病気や障害に対応するためのものは常備されていません。
〇 日常生活の必需品
① 薬(3日分)と処方箋
② 障害の種類による必需品(ストーマと洗腸器具、杖などの補装具や日常生活用品)
③ 介護用品(オムツ、おしりふき等)
④ 偏食や食物アレルギー等に対応できる食料(3日分)
 など、安全カードに記載した物は持って行きましょう。
 また、安心カード、ヘルプカード、ヘルプマークを持って行くと、支援を受ける際に便利です。
 ※1 注意(食料)
 備蓄の食料は、大規模災害用であり、短期の風水害の際には提供されないことが多いので、食料等は各自持参をすること。

 避難所と福祉避難所

8 避難所と福祉避難所
・ 一時的な避難所としてよく使われる施設として公民館や学校の体育館などの公共施設が挙げられます。あの広いスペースに男女混在で一晩を過ごすというのが、一般的な避難のかたちです。
 はじめは、毛布、水、食料などが配られ、期間が長くなればさまざまな日用品が支給されるようになります。ただし、避難所はあくまで一時的な避難所であり、長期滞在は想定されていません。
 ですから、避難所にいる人同士で相手のことを考えながら行動することが、避難所での生活では大切です。(障害があっても自分でできることは自分でしましょう!
・ 福祉避難所の対象者は災害対策基本法の中で要配慮者と定義づけられており、要配慮者に該当するのは「高齢者、障害者、乳幼児その他の配慮を要するもの」となっています。
 記載上は、障害者となっていますが18歳未満の障害児や医療的ケア児も福祉避難所の対象です。
 また、特別な配慮が必要な方の家族も福祉避難所の対象者となりますが、要配慮者の状態や避難所の状況によって臨機な対応が必要になると考えられます。

Q1 避難所は自分には関係ないと思っているのですが?
 そんなことはありません。
 避難所は住民が避難生活を送るだけでなく、情報や救援物資が集まるところです。ですから、必ず避難所を確認しておきましょう。
 そして自宅避難の場合でも、避難所に自分の居場所を知らせましょう。

Q2 避難所は市役所の職員が運営しているのですか?
 いいえ。 避難所は、自主防災組織(自治会で構成、本部は公民館に設置)を中心に運営にあたることになっています。
 避難所には、地域派遣職員(市職員)が運営のサポートにあたることになっています。

Q3 避難所と福祉避難所とはどう違うのですか?
 避難所という場合は一時避難所といわれるもので、最寄りの小学校・ 中学校・高等学校の体育館を指します。
 一方、福祉避難所とは、あらかじめ受入対象者を特定し、本人とその家族のみが避難する施設で福祉的専門職員によるケアを受けることができるところです。
 対象者(要配慮者)は、
①日常生活に全介助が必用な方、
②何らかな理由で個別の部屋での対応が必要な方が該当となります。
 具体的には、
・食事、排せつに全介助が必要な方
・移動が一人で出来ない(寝たきり等)方
・介護が必要で家族等の付き添いがいない方など
岐阜市内福祉避難所一覧(PDFファイル)

Q4 避難所では迷惑をかけるので福祉避難所に直接行っていいですか?
 まず、市へ連絡し、直接に福祉避難所へ行けるかどうかを相談しください。
 また、近くの避難所でも、避難所での生活ができる限り支障のないように、要援護者専用スペース、間仕切り、簡易ベッド等の確保を行うことになっていますので、迷惑をかけるとは思わないでください。

Q5 福祉避難所に行くためにはどうすればいいですか?
 次の順で進んでいきます。
① 一時避難所に避難する
② 共同生活が困難である旨を避難所にいる市職員に伝える
③ 市職員が災害対策本部と協議
④ 福祉避難所が開設される場合にのみ福祉避難所に移動
 原則としては、一時避難所にいないと福祉避難所へは移動できません。
 しかし、自宅にいる場合でもどうしても生活が営めず、また一時避難所での生活が難しいことが明らかな場合は、一時避難所にいる市職員、または市役所に設置されている相談窓口に連絡してください。

Q6 福祉避難所へは家族と一緒に行けますか?
 一緒に行けます。ただし、収容人数に限りがありますので、必要最小限の人数での移動となります。

災害ボランティアセンター

9 ボランティアによる支援
 災害ボランティアセンターは、災害が発生後、被害状況により設置が検討され、必要と認められた場合に設置されます。
 このボランティアセンターは、被災した人たちや地域を支援するために、臨時的・応急的に設置されるもので、目的を達成したら解散する一時的なボランティアセンターです。
(1) ボランティアセンターは、岐阜市社会福祉協議会が設置します。
(2) 設置が決まると次の方法でお知らせします。
 ・避難所、福祉避難所での掲示
 ・インターネットへの掲載 市ホームページのトップページから災害情報の部分を探す
 ・同報系防災行政無線による広報など
(3) お願いできること
 たとえば、話し相手、ゴミの収集と運搬、家屋内外の清掃・消毒、子守り、子どもの遊び相手、側溝などの土砂の搬出など。
 実際に依頼する時には、岐阜市社会福祉協議会(災害ボランティアセンター)に連絡してください。
 災害ボランティアセンターが設置されれば、いろいろな支援を受けることができます。「こんなこと……」と思っても、良いか悪いかの判断はせずに、まずは連絡してみましょう。

大規模災害時に発生するごみについて 

10 災害ごみ
 大規模災害時には、通常のごみのほか、大量の災害廃棄物(災害により壊れた家具や家電、家屋から発生したがれきなど)が発生します。
 これらのごみを迅速・適切に処理するため、次のことにご協力ください。
① 災害廃棄物は分別を徹底し、市が指定する専用の場所(一次仮置場)に持ち込んでください。
 一次仮置場を開設する場合は市から発表されます。
② 被災地域においては、ごみの収集を一旦停止することがあります。
  再開されるまで、自宅で保管してください。


Ⅱ 大規模災害への備え

大規模災害へ確かな備えを


 岐阜市では、南海トラフ巨大地震の発生が懸念されているほか、台風や集中豪雨による洪水など自然の脅威にたびたび直面しており、大規模災害による甚大な被害の危険と常に隣り合わせの状態にあるため油断は禁物です。
 大規模災害の対策は、自分の身の安全は自分で守る「自助」と、地域で助け合う「共助」が肝心です。
 一人ひとりが普段から防災意識を高め対策を進めることで、いざという時にも慌てずに行動でき、被害を軽減することができます。
 令和3年度に、市内全戸に配布された「岐阜市総合防災安心読本(改訂版)」には、災害種別ごとのハザードマップほか、災害時の行動や事前の備えについて記載されています。災害時に適切な行動がとれるよう確認しておきましょう。

1 岐阜市で発生が予測される主な地震と被害
(1) 主な地震
① 海溝型地震
 海洋プレート(地殻)が大陸プレートの下に沈み込み、両者の境界で歪(ひず)みが発生し、やがてその歪みが跳ね返ることで発生する地震です。
 市内では、南海トラフ巨大地震による被害が想定されています。今後30年以内の発生確率は70~80%程度(地震本部ホームページより)と予測されています。
② 内陸型地震
 活断層が突然動くことにより発生する地震です。
 市内では、揖斐川-武儀川(濃尾)断層帯や、養老-桑名-四日市断層帯、阿寺断層帯による地震の被害が想定されています。
(2) 岐阜市での被害予測
 令和2年度に実施した南海トラフ巨大地震の被害想定では、市内の震度は5強~6強と予測されています。
 また、液状化現象(地下水を含む地盤が地震動で泥水のようになり、地下埋設管の浮き上がりや重量構造物の沈下などが起こる)が広範囲で発生する危険性が予測されています。
 市ホームページで想定結果をご覧になれます。

2 災害が起きる前に避難の準備をしましょう
 避難所へ避難することが全てではありません。身の安全の確保ができる場合は、避難所以外への避難も検討しましょう。
① 避難所以外への避難の準備
 自宅の災害の危険性をハザードマップで確認し、安全が確認できる場合は在宅避難を検討しましょう。
 また、安全な地域に住む親戚や友人宅への避難も検討しましょう。避難の受け入れを事前にお願いするとともに、災害が想定される場合は、早めの避難を心がけましょう。
② 避難所への避難の準備
 避難所の受付時の混雑を防ぐために「避難者カード」を事前に記入し、非常持ち出し品と一緒にしておきましょう。
 また、避難当日の健康状態を記入する「健康状態チェックカード」も準備しておきましょう。
※「避難者カード」および「健康状態チェックカード」は岐阜市のホームページで入手可。

避難行動要支援者名簿への登録

3 避難行動要支援者名簿
 避難に支援が必要な方は、避難行動要支援者名簿に登録しましょう。
支援者名簿制度

(1) 避難行動要支援者名簿登録制度 →概要をpdfファイル で見る
 災害時に自力または家族だけでは避難が困難で特に支援が必要な人(避難行動要支援者)を地域で支援するため、支援の必要な人を把握し名簿を作成しています。
 名簿に登録されますと、避難支援等関係者(自主防災組織(自治会)、民生・児童委員、消防団及び社会福祉協議会、警察)に意向調査書に基づき、個人情報が提供されます。
 この情報を基に災害時に誰が避難の支援を行うかが決められたり(個別計画の策定)、災害時における避難支援や安否確認が行われます。また、平常時に見守り活動などが行われることもあります。
(2) 利用方法
 市役所に登録してください。
◆対象者 次のいずれかに該当する人
 ① 要介護度1~5
 ② ひとり暮らし高齢者(65歳以上)
 ③ 高齢者世帯(夫婦ともに65歳以上)
 ④ 身体障害者手帳1~6級所持者
 ⑤ 療育手帳A・A1・A2・B1・B2所持者
 ⑥ 精神障害者保健福祉手帳1~3級所持者
  ※①~⑥以外でも特に支援が必要な人は登録申請可。
◆登録方法
 「避難行動要支援者名簿登録申請書」に記入の上、市福祉部、都市防災部または各事務所の窓口に提出してください(郵送可)。
◆登録上の注意
① 災害の予測は困難であり、万全の体制がとれるとは限らず、安否確認や支援活動ができないおそれもあります。
② 個別避難計画における支援者は、行政があっせんを行うものではありません。(普段からお付き合いのある方にお願いしてください。)
③ 避難支援を必要とする方も、自治会への加入など、お住いの地域の方々から支援を受けられるような関係づくりを心掛けるとともに、自らの安全を確保するため、日ごろから災害を想定した備えをお願いします。
(3) 個人情報の取り扱い
 全ての名簿提供先から誓約書を受領し、個人情報の適正な取り扱い及び管理に細心の注意が払われます。
 申請した方の個人情報は、日頃の見守りや災害時の避難支援の用途に限定して、市や避難支援関係者において利用されます。

 地震に対する、家庭の備えを

4 家族防災会議を開きましょう
 大規模災害が発生した時、自分や家族の安全、財産を守るには、落ち着いて行動することが大切です。
 発生する季節や時間、家族が一緒か別々かによって行動は異なります。
 地域の地震ハザードマップや家の間取り図を用意し、災害の状況を想像しながら、次のような項目を話し合い、確認しましょう。
□ 家族が一緒の場合:避難場所と避難経路、役割分担(火を消す、ガスの元栓を閉める、ブレーカーを落とす、避難口の確保、貴重品の持ち出し、隣近所への声かけなど)
□ 家族が別々の場合:連絡方法と合流場所・合流方法
□ 子どもや高齢者・障がいのある人がいる場合:通園・通学先や施設との連絡・送迎方法
□ 自宅内外の危険物や危険箇所とその対策
□ 非常持ち出し品・非常備蓄品の内容と保管場所
□ 非常食の確認
□ 応急手当の方法
□ 子どもだけで留守番をしている場合の行動(身の守り方、連絡方法、避難場所)
● 正しい知識を持ち、地域との交流を
 新聞やテレビ・ラジオ、インターネットなどで情報を入手し、大規模災害に対する正しい知識を身に付けましょう。
 また、防災訓練へ積極的に参加するなど、普段から地域で協力しあえる関係を築いておくことが大切です。

5 避難場所・避難所を決めておきましょう
 地震発生直後に慌てないよう、自宅や職場から近い避難場所・ 避難所を把握しておきましょう。
 実際に歩いて、避難経路や所要時間、経路上の目標物や危険箇所を確かめます。
 避難場所や避難経路はあらかじめ複数決めておきましょう。
 →市ホームペー ジで指定緊急避難場所・指定避難所の一覧と位置をご覧になれます。
① 地域の「指定緊急避難場所」および「指定避難所」の看板
 洪水・内水・土砂災害・地震の各災害別に災害時の利用可否を示す ○×△や注意事項を表記しています。
② 指定緊急避難場所
 発生直後に、一時的に避難する場所です。主に地震の時に避難する公園や学校のグラウンドなどの空き地や、風水害の時に避難する学校や公民館を指定しています。
 ※ 指定緊急避難場所と指定避難所に重複して指定されている施設があります。
③ 指定避難所・その他避難可能施設
 住宅が被災・倒壊したり、がけ崩れの危険があったりするため、自宅へ帰れなくなった人が生活する場です。
 学校の体育館や地域の地区公民館、民間施設を指定しています。

6 家族の連絡方法を確認しましょう
 大規模災害が発生すると、固定電話や携帯電話は、停電で不通になったり、通話が集中してかかりにくくなったりします。
 連絡方法は複数の手段を確保しておきましょう。
 また、被災地内はつながりにくいため、連絡を取り次いでくれる遠くの親戚などを家族で決めておくことも有効です。
① 公衆電話: 大規模災害時は通話が優先され、つながりやすくなるほか、無料でかけられます(初めに10円硬貨が必要)。
② 携帯電話のメール: 大規模災害時は、携帯電話の音声に比べてメールはつながりやすい傾向にあります。
③ SNS(ツイッター、フェイスブック、ラインなど): 通信障害の影響を受けにくく、熊本地震で安否確認に役立ちました。ただし、誤った情報(デマ)には注意しましょう。
④ 災害用伝言ダイヤル「171」: 安否の確認に伝言を録音し、再生できます。
【録音】「171」をダイヤル→「1」を選択→自宅や相手の電話番号○○○-○○○-○○○○をダイヤルして伝言を録音
【再生】「171」をダイヤル→「2」を選択→自宅や相手の電話 番号○○○-○○○-○○○○をダイヤルして伝言を再生
⑤ ケータイ「災害用伝言板」:  携帯電話各社と契約が必要。メ ニューから「災害用伝言板」を選択し、伝言を入力。相手の携帯電話番号を入れて伝言を確認します。
⑥ 張り紙: 油性マジックで書き、玄関などに張ります。

 地震に強い住まいを

7 地震に強い住まいづくりを進めましょう
(1) 家具や家電製品の転倒・落下を防ぐために
・ 家具をL字金具や突っ張り棒などで柱に固定する。
・ 家具の下に滑り止めシートを敷く。
・ 家具を積む時は上下を平型金具で固定する。
・ 重い物を下に、軽い物を上に収納し、重心を低くする。
・ 家具の上に物を置かない。
・ 冷蔵庫は転倒防止用ベルトで背面と、テレビは転倒防止用バンドやスタンドで背面やテレビ台と固定する。
・ 1本のコードで吊られている照明器具は補強する。
・ 家具や家電製品が倒れても安全な位置で就寝する。
(2) ガラスや食器類などの飛散を防ぐために
・ 窓ガラスや食器棚のガラスなどに飛散防止シートを貼る。
・ 食器棚の食器が滑り出さないように防止枠を設ける。
・ 開き扉は掛け金などを使い、扉が開かないようにする。
(3) 屋外でも対策を
・ プロパンガスのボンベは転倒しないように鎖で固定する。
・ ブロックやコンクリートの塀、石垣の崩れは補強する。
・ ベランダの物干し竿(さお)など落下しそうな物は固定する。植木鉢などは取り除いておく。
(4) 火災を防ぐために
・ カーテンは防炎加工品を使用する。
・ ガスコンロなど火元付近には物を置かない。
・ 暖房器具の対震自動消火装置が作動するか点検する。
・ 火元付近に消火器を備える。浴槽に水を張る。
・ 揺れを感知して電気を遮断する「感震ブレーカー」を設置する。
(5) 避難時の通路を確保するために
・ 避難時の通路となる廊下やドア、玄関には家具や荷物を置かない。
・ 寝室や高齢者・子どもの部屋にはなるべく大型家具を置かない。

8 耐震等の助成事業

(1) 家具固定器具の取り付け
  家電製品を除く、たんす、本棚など寝室の家具2点まで家具固定器具(器具代は申請者の負担)を取り付けています。
 申請方法など詳しくは市都市防災政策課へ。
[対象者]
①高齢者(65歳以上)のみの世帯に属する人
②要介護認定者
③身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの人
(2) 木造住宅耐震診断、木造住宅耐震補強工事、耐震シェルター設置
① 昭和56年5月31日以前に着工した1戸建て木造住宅は耐震化を・・・木造住宅無料耐震診断や木造住宅耐震補強工事、耐震シェルター設置には岐阜市の補助事業があります、活用して住宅の耐震化を図りましょう。
② 就寝中の地震から守るベッドルーム耐震シェルター設置  お休みになっている夜間に地震があった時、ベッド型耐震シェルターは、普段ご利用になるベッドルームそのものがシェルター(耐震設備)になっているためどこかに逃げ込んだりすることなく寝たまま倒壊物から身体の安全を確保できます。岐阜市の補助制度もあります、詳しくは市建築指導課へ。

 台風や集中豪雨、洪水への備えも

1 普段からの備え
① 家族防災会議を開きましょう。「岐阜市洪水ハザードマップ」で地域の状況を確認したり自宅周辺や避難経路上の危険箇所を認識しておきましょう。
 岐阜市洪水ハザードマップは、市内の河川が大雨で増水し、堤防が決壊した場合の「浸水想定区域図」に基づいて、浸水予想や浸水深、避難所などを示したものです。
市ホームページで閲覧可。
② 最新の気象情報(天気予報・洪水予報)や河川水位・雨量情報を収集しましょう。
③ 家族や知人と連絡をとり、対応を確認しておきましょう。

2 大雨が続く時や台風が接近した時の対応
① 雨戸を閉める、桟(さん)を打ちつける、窓ガラスにテープを貼るなど、窓や戸を補強する。
② 風で飛ばされそうな物は固定するか屋内に入れる。
③ むやみに外出しない。河川や崖などに近づかない。
④ テレビ・ラジオ・インターネットなどで最新の気象情報(市からの避難に関する情報)を入手する。
⑤ 非常持ち出し品を再確認。停電や断水に備えて準備を。
⑥ 気象情報や河川水位・雨量情報に注意する。
⑦ 地下施設(地下街・地下室・地下通路・地下駐車場など)は危険です。早めに避難しましょう。

3 身の危険を感じたら、早めに避難を
 洪水などの危険が予測される場合、市は該当地域に対し、テレビ・ラジオ、インターネット、防災行政無線や広報車、気象・災害情報等メール・緊急速報メールで避難情報を発表します。
 自主避難する場合は、避難所が開設されているか、確認してから避難してください。風水害時には、地域の地区公民館や小学校を優先して開設します。
 ※ 高齢者等避難〈警戒レベル3〉
 避難を伴うような洪水になると予測される時、または河川がはん濫注意水位に達し、さらに水位上昇のおそれがある時に発表されます。
家財道具を安全な場所に移したり、防災関係機関からの情報に注意し、避難に時間のかかる人(子どもや高齢者、障害のある人、病気の人)は避難を開始してください。

4 災害・避難情報をEメールで配信しています
(1) 岐阜市気象・災害情報等メール配信サービス
① 配信する主な情報
 岐阜市に発表された注意報・気象情報、避難情報(避難指示など)、災害情報(被災状況や避難所の開設状況など)、熱中症注意喚起などの行政情報など。
② 登録方法
 携帯電話やスマートフォンで、QRコードを読み取り空メールを送信するか、次のメールアドレスあてに空メールを送信。
登録用ページが返信されます。必要な情報などの登録を行ってください。機種によっては登録できない場合があります。
③ 登録用アドレス
   → t-gifu-city@sg-p.jp
(2) 緊急速報メール
 市内にいるNTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯電話をお持ちの人に対して、一斉に災害・避難情報を配信します。使用料などは無料です。
① 利用方法
 対応している携帯電話(各社ホームページでご確認ください)の「メール」→「エリアメール設定」により受信設定をしてください。
② 受信する情報
 高齢者等避難、避難指示、警戒区域情報、指定河川洪水警報(長良川・木曽川・伊自良川がはん濫するおそれのある場合に発令)、土砂災害警戒情報、国民保護に関する情報など。
(3) 避難指示〈警戒レベル4〉
 洪水などにより著しい危険が切迫している時。または河川水位が堤防高に達すると見込まれる時に発表されます。

5 避難時に注意することは
① 動きやすい靴を履く(長靴は水が入って動きにくくなる)。
② 家族や隣近所に声をかけ、極力、単独で行動しない。
③ かさや棒、枝などを利用して水深を確認しながら歩く。
④ 水の流れが速い場所や、冠水して安全が確認できない場所は避ける。崖や河川の近く、橋は避難経路にしない。
⑤ 避難指示が発表されても、避難場所への道が冠水・破損している場合は、無理をせずに自宅の2階や近くの高い建物などへ避難するなどの判断が必要。
⑥ すでに災害が発生していることを把握した場合の緊急安全確保〈警戒レベル5〉が発令されたら、ただちに命を守るための最善の行動をとる。

6 土砂災害警戒情報にご注意を
 「土砂災害警戒情報」は、大雨警報が発表され、土砂災害の危険度が高まった時、岐阜地方気象台と岐阜県が共同で発表します。
土砂災害は水害と異なり、局地的・突発的に発生します。逃げ遅れないためにも、雨の状況や前兆現象(下記)を確認し、危険と感じたら迷わず避難しましょう。
① 土砂災害の前兆現象
  【土石流】
 流水の異常な濁り、流木の発生、渓流内の転石音、山鳴り・地鳴り、水位の急激な低下
  【がけ崩れ】
 湧水量の増加、小石の落下、湧水の濁り、亀裂の発生
② 土砂災害ハザードマップ
 土砂災害の恐れのある箇所や避難所を表示しています。
 ご自宅周辺の災害危険箇所を確認するとともに、避難所までの避難経路を確認しましょう。
③ 大雨や洪水の情報入手先
 国土交通省「川の防災情報」、岐阜県「川の防災情報」、岐阜地方気象台ホームページ

Ⅳ 支援していただく方へのお願い

障害に沿った必要な支援を
1 災害時に障害のある方と出会ったら
 大規模な災害時に障害のある方は、自力で避難することや情報を得ることが困難で支援を必要とします。さらに災害の後は、生活の様相が普段と変わってしまいます。そのため、障害のある方は、普段は問題なく生活している場所でも自分で行動することが難しくなり、また、危険を回避することが困難となるため、周りの人の協力がとても大切です。障害のある方を見かけたら、声をかけ、周囲の状況を伝え、避難所への誘導等をお願いします。
(1) 視覚に障害がある場合
 災害がおさまったら、視覚に障害のある方は、周囲の状況がわからず不安になります。不安をやわらげるために、状況をおおまかに説明し、避難が必要な時には誘導していただきたい。
 その誘導のしかたは、いきなり身体にさわるのではなく、本人の希望の介助方法を聞いてください。手を引っ張る、背中を押す、後ろから抱きかかえるなどは、視覚に障害のある方の行動を制限してしまいます。
 視覚に障害のある方は周囲の状況を十分に把握できないので移動中も不安です、ですから周囲の状況を説明しながら歩くことが重要です。切れた電線、倒れたブロック塀の位置や状況、避け方などはより具体的に、「右に」、「何メートルくらい先」、「あと何歩」など、段差・階段では、「上(下)りの階段です」、止まるとき・歩き始めるときは、「行きます」や「止まります」など声かけをしてください。特に、黙って止まらないようにしてください。原因が分からず不安になります。盲導犬を伴っている場合は、直接盲導犬を引いたりさわったりせずに、障害のある方に方向を説明してください。
 また、避難先での掲示物・配布物を見ることができません。内容を音声で確実に伝達されるようにしてください。
(2)  聴覚に障害がある場合
 聴覚に障害があるということは、音による情報のやりとりが難しいということです。災害時は情報の多くが音声によって伝達されるため、聴覚に障害のある方は、必要な情報の入手が困難になります。
 情報を伝達する方法には、手話だけではなく、身振り・筆談・その他いろいろな方法があります。複数の方法を用いたコミュニケーションをとっていただけますと幸いです。
・ 情報の伝達
 揺れを感じたら安全確保のため、メモや身振り手振りなどで身を守るよう指示してください。揺れがおさまったら、安全に避難するため、わかりやすい身振りで、また話し始めは、障害のある方の視野に入り、合図をおねがいします。
 情報の伝達は、紙だけではありません、筆談(手のひら、空中(空書といいます)、背中に指で書いて伝えることもできます。また、口の動きで伝えることもできます。話すときは、文章の流れから言葉を判断しますので、一文字毎に区切るのではなく、句読点で区切って顔を真っすぐに向け、口をきちんと開けて普通に話してください。( ひ_な_ん_し_ま_しょ_う → ひなん_しましょう )
(3) 肢体に障害がある場合
 手や足など身体に障害があるために、行動に制限があったり、生活に不便を感じることがあります。たとえば、車いすや杖などを使用している人では少しの段差でも障害になったり、手や腕に力が入らない人では扉の開閉にも困難を感じたりします。したがって、災害時には移動を中心とした支援が必要となります。
 また、移動だけではなく、生活のさまざまな場面で支援が必要な場合もあります。本人にどのような支援が必要かを聞いていただきたい。(※ 障害のある方も必要な支援を自ら発信してください。)
 支援は主に「動作(特に移動)の介助」ですが、むやみに車いすや歩行器具、身体にさわらないようにし、車いすを使うか、他の歩行器具を使うか、本人に確認してください。
 車いすでの誘導は、同じ目線の高さで話しかけ、必要に応じてベルトで身体を固定してください。また、 動作の前には、「前に進みます」、「止まります」など一声かけてください、急な発進や停止、方向転換は乗っている人を不安がらせ、転倒など事故のもとにもなります。
① 車いすを操作するとき
  車いすに乗る時、車いすから降りる時は、必ずブレーキをかけます。段差の昇り降りは、ゆっくり移動し、段差を越えるときは「持ち上げます」と声をかけ、押す人の足元にあるバーを踏み、車いすの前輪を上げ、段差に乗つてから後輪を上げ進みます。また、段差から降りる時は後ろ向きに後輪から降ります。階段は、3人から4人で車いすを持ち上げてゆっくり移動してください。
② 車いすが使用できない人の移動
  タンカーがない場合は、幅広いひもでおぶったり、シーツや毛布の両端を結んで、くるむように乗せたまま、頭側を引っ張って移動してください。
③ 杖を使っている人の誘導
 段差やでこぼこの少ない場所を選んで歩くようにして下さい。
(4) 内部障害がある場合
 内部障害には、心臓、じん臓、ぼうこう・直腸、呼吸器、小腸、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫、肝臓の機能障害があります。内部障害のある方の共通の悩みは、外見からはわかりにくく、人にわかってもらえないことです。なにげない動作に思えても本人には負担になっていることもあります。また、自分が人工肛門であることを周囲に知られたくないと思う方も多くいます。まずは、本人に状況を確認し、必要に応じて医療機関に連絡をし、急変に対応していただきたい。

 この「障害のある方の防災の手引き」の内容は、まだ十分ではありませんが、「岐阜市の暮らしのガイド」、「土浦市の防災の手引き」を参考に、岐阜市身体障害者版として作成しました。2021/10/01

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